「文字の面白さ」
商売でいろいろな文字を書いていますと、絶対に一生、この商売をしていないと出会わない文字を書くことがあります。
英検1級をお持ちの方なら、書いた事があるかもしれませんが、たとえば、
「鹽竈」など、これは三陸の「塩釜」の旧字体です。
当然、お住まいの方はご存じでしょうが、ほかの人は見たことも聞いたことも無い文字でしょう。
お客様のご注文でこれを駒札に漆で書いた事があります。
値段は普通の文字と一緒でしたが、小生も書いた事の無い文字でしたので、形を取るのに何度か書きました。
もともと文字を書くのが生来好きなものですから、苦ではないので、どう書くと格好いいかを考えながら書いています。
また、「贔屓」なども普通は見ないし、書くことも無いでしょう。これは、楽屋の「のれん」などで、贈り主を特定の名前を隠す時に使われる「ひいき」と読みます。
「御ひいき筋」などという時に使われます。
このように、漢字は本当に奥が深く、また難しいです。
文字を書く商売をしていても、また日本人でも難しい漢字ですから、「日本語」を勉強している外国人の方は、さぞ大変だと思います。
それでも、年々日本を訪れる、外国人観光客が増えるにつけ、彼らもとても興味があるようです。
ウチの店に来るガイジンさんも、漢字を「カリグラフィー」と言って、一種のデザインと考えているようです。
よく、アルファベットを漢字に「宛て字」として提灯などに書きますが、ウチではなるべくおめでたい字を書くようにしています。
それは、江戸文字にも言えることで、必ず縁起が良い文字に当てはめて書く日本の伝統があるからです。
つらつらと書きましたが、時々は、ペンを持って、せめて自分のお名前だけでも書いてみてはいかがでしょうか?
文字を書くのが、面白くなるかも知れませんよ!
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