「豊洲市場移転予定決定」に思うこと
いよいよ、豊洲市場の開場予定が東京都から発表されました。
2016年11月だそうです。
今まで、何度か移転予定日が延期されてきたので、あまりピンとこなかったですが、今回の発表で、いよいよという現実感が出てきました。
昭和10(1935)年にこの「築地」で開場してから81年目に「豊洲」に移転します。
この地で生まれ育った身としては、寂しい限りですし、築地はまだ江戸期からの気風が残っているところだと思ってきました。
しかし、「豊洲」へいってしまうと、今でさえ市場で働く人たちは土地っ子ではないので、「魚河岸」の気風や習慣などはだんだん薄れていってしまうのでしょう。
水産物を扱う大型市場という位置づけだけになってしまうのが、ちょっと寂しい気がします。
「魚河岸水神社」も一緒に豊洲へと移動するそうですが、神田から築地へ移ってきたときは、市場で働く人の多くが「神田明神」の氏子であったので、「水神さん」を積極的にお祀りしたのは納得が行く史実ですが、80年が経って、市場に神田の氏子は果して何人いるのでしょうか?
それでも「魚河岸会」の方々は一緒に移転することに、大変苦労されたと聞いています。
戦後、神社も宗教施設との位置づけになってしまい、堂々とお祀りできなくなっている事実があります。
当初は東京都も難色を示していたそうですが、どのような形で落ち着いたか、具体的にはまだ聞いていませんが、移転することは確実になっているようです。
そうすると、市場の跡地は元の神域であった「波除さん」に戻ってくるということだそうです。
水神さんがここへ移ってきた時も、ちゃんとした行事を行って、鎮座したという事を聞いていますので、また豊洲へ移る時もこのような行事を執り行うのでしょう。
いずれにしても市場本体の移転とともに、いろいろなものも、移るのでしょうから、どんな築地の未来があるのかも含めて、これからも見てゆきたいと思います。
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