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2014年8月29日 (金)

「魚一網」と「蒸籠百荷」

何と読みますか?

「魚一網」は「うお ひとあみ」。

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「蒸籠百荷」は「せいろ ひゃっか」と読みます。「むしかご」ではありません。

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では何の事でしょう?

もともとウチでは、祖父の頃から「千社札」の交換会に入っておりました。

昭和27~28年頃から「東都納札睦」という、愛好家の中では有名な「千社札」の会に入れて頂いているのでので、福田千加坊さんや、先代の関岡扇令さん、昨年三代目「扇令」を襲名された息子さんも存じています。

祖父は「提燈屋」で奉公していたので、二代目の高橋藤之助さんも知っていたようです。

昔から交換会後の「千社札」の配達もあったので、それで存じ上げている訳ですが、父も小生も交換会にはほとんどお邪魔していないので「題名」だけのお付き合いみたいになっています。

”昔の札”や”千社札の本”を見ていると、時々「魚一網」や「蒸籠百荷」という絵柄の入った物を見かけます。

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これは、江戸時代に「寄り合い」などの酒宴に参加する時に「手土産」変わりに「酒の肴」になるように、少しばかりのつまみになる”魚やまんじゅう”などを持って行き、「○○さんからの差し入れ」を表わすように、紙に大袈裟に「魚一網」や「蒸籠百荷」などと書き入れた名残りの言葉です。

菩提寺に行くと本堂に「畳一式」や「座布団一式」「金○○万円」などと書いてあるあれの「大袈裟版」みたいな物と考えて良いでしょう。

因みに「魚一網」とは、たとえ”鯛を一匹”しか持って行かなくても、”地引網一網分”を持って行ったように「魚一網」と書いて、贈り主の名前も書いておく訳です。

催主宛に縦書きで「○○さん江」と左に書いて中央に「魚一網」そして右側に贈り主の名前を「熨斗”のし”」の下に書いて鴨居などにぶら下げて賑やかしていたようです。

では「蒸籠百荷」とは何でしょう。

以前に聞いた所によると「蒸籠」(せいろ)は当時は「まんじゅう」を蒸かす道具として連想されていたようです。

ですから「蒸籠百荷」と書けば「まんじゅう」を荷車一杯分持って来たような「大袈裟な表現」として「魚一網」と共に面白がられていた庶民の風習だったようです。

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これも気の合った仲間たちとの「寄り合い」の席で皆で面白がって行なっていたのでしょう。

ウチではこれを「木彫看板」や「ぽち袋」にして製品化しています。

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本来の使い方とは違いますが、この様な遊び心豊かな文化を後世に残したいという思いもあって、先々代から贈り物として「木彫看板」は作っています。

ぽち袋は一般の方にも同じ様にこれらの遊びを知って頂きたく、同じ様に小生が原稿を書いて作りました。

江戸の風習や文化って奥が深いです。

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