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2014年3月 6日 (木)

「江戸文字」のはなし 1

江戸文字と言うと、まず半纏や提燈、千社札に使われている文字を想像されるでしょう。

小生の店は、元々祖父が提燈屋から始めた店なので、今でも色々な文字を毎日のように書いております。千社額の文字も書きます。

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多くの方が江戸文字について研究されていて、小生も色々と自分なりに理解しているつもりですが、江戸文字はまず、江戸時代の中期頃、世の中が安定して来て、庶民も娯楽を楽しめるようになった頃が始まりとされています。

江戸文字は、いわばデザイン文字で、ある特定の業界で、限定的に使われた文字と、その他に大雑把に分類されていると思われます。

武家の文字は幕府で統一の「御家流」が公文書などで使われていましたので、武士はそれを練習していました。

「浄瑠璃文字」は「御家流」(おいえりゅう)が基本になっていると言われております。

「相撲文字」は、今では行司が書いていますが、元々は「根岸流」と言われていて、番付などを書く時に使われた文字でした。

歌舞伎には「勘亭流」、寄席などには「ビラ字」などがあります。

「籠字」は提燈屋や染め物屋、千社札などで使われた文字でした。これが今では、小分類としての「江戸文字」と言われている文字です。

「寄席文字」は、笑点でもお馴染みですが、「橘右近」という落語家だった方が、昭和40年前後に「橘流寄席文字」と言う、流派を名乗る様になってからの文字で、「ビラ字」からの派生形だと理解しております。

いずれにしても、それぞれの文字は、隙間なく太く、勢いよく書かれています。

それは、文字の隙間の白い余白を、客席の「空席」と見立てた為で、縁起をかついで、なるべく沢山のお客が入るよう、願望が込められているということです。

籠字は、、職人の半纏や、手拭、提燈などにも使われ、特定の業界だけの文字とは使われ方が庶民とむすびついてきたので、今「祭」で最も使われている文字として、好まれているのでしょう。

江戸時代の筆記具は「筆」でしたから、作者が工夫を凝らして様々な興行の繁栄を願い、今に至っているのだと思います。

日本人は、もともと分類好きで個性を出していたので、現代にいたっては、デザインの分野でも改めて、脚光を浴びるようになって来ているように思います。

これからもこれらの「江戸文字」は使われて行くのでしょうが、やはり作者によって雰囲気が違います。

フォントも作られている物もありますが、後継者のいない書体の分野もあります。

小生も、文字を書いている身として、書けるだけ書いて、残せる物は残して行きたいと思っています。

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