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2014年3月16日 (日)

「吉語と嘉言」 (きちごとかげん)

昭和20年代後半から、40年代中ごろまで、店舗の開店に合わせて、築地の仲卸業者が贈り物としていた物の中に「絵びら」がありました。

201311_no3_004

大きさは、ポスターの全紙の大きさで、開店した店舗の周りにベタベタと沢山飾っておりました。

ウチの店では、これを書いておりましたので、屋号と贈り主の名入れと共に、お目出度い大文字の一言と、朱で書く「吉語、嘉言」と呼ばれる、賑やかしの言葉を書きます。

File0018_2

(不許複製)

これは、祖父の代の「吉語と嘉言」をまとめた、いわば「虎の巻」で、開店する商売の種類によって、縁起が良い語句を集めた物です。

魚屋、寿司屋、料理屋、八百屋、そば屋、天麩羅屋、うなぎ屋、米屋等、築地関係の魚や青果関係の商売を中心に贈られていた物ですので、同じ店に何枚も贈ったりする物ですから、絵柄は勿論、入れる文字も重複してはいけません。

ですから、この様な「虎の巻」が必要だった訳です。

File0013

(不許複製)

学生の頃習った、漢文の様なものですが、すべて「千客万来」と「商売繁盛」を祈って集められた言葉の集大成だと思っています。

祖父が、提燈屋で修行していた頃にはもう、「絵びら」も扱っていたようなので、親方や諸先輩の書くのを見て、少しずつ書き溜めて来ていたものだったのでしょう。

小生にとっても、市販品にはない「宝物」の様な語句ばかりです。

ただ、これを使う機会があまりなくなってしまっているので、「宝の持ち腐れ」にならないようにしなくてはなりません。

先日「絵びら」という資料本を作ったのをきっかけに、こちらの「吉語と嘉言」も世に出して行けるよう、色々と試行錯誤して行きたいと思います。

201311_no2_022

弊社製作「絵びら」(非売品)の資料本。店頭でご覧いただけます。


もう、原本は和綴じで紙もボロボロになっていますので、まとめてデジタル化して、本来の使い方とは別に、新しい使い方も模索して行こうと思っております。

やはり、築地市場の豊洲移転と共に、昭和期迄続いてきた江戸文化の名残りが消えて行く事を、自分なりに憂慮しており、僭越ですが勝手にウチの店の様な市場と関わりをもった商売をしてきた業者の、文化の一端も記憶として残して行きたいといつも思っております。

おめでたい「吉語と嘉言」のお話でした。

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