「ななつ星 in 九州」
「ななつ星 in 九州」は、先日の10月15日に運行を始めた日本初のクルーズトレインです。機関車と客車7両は全車新製です。
なによりその豪華な客車と旅行費用が話題を集めているようです。
ななつ星 in 九州のイメージイラスト (JR九州HPより)
旅行の内容や豪華な車両については、色々な報道で取り上げられていますので、チョット変わった視点から調べてみました。
機関車はDF200といって、北海道のJR貨物が平成4年(1992)から導入している貨物専用のディーゼル機関車が種車となっています。
九州は非電化区間が多くありますし、今の所、九州島内のみを走るそうなのでディーゼル機関車の方が使い勝手が良いのでしょう。
JR貨物 DF200 (wikipediaより)
今回 「ななつ星in九州」」専用に仕様変更して1両のみ製作されました。
形式はDF200-7000です。今の所、予備車は無いそうです。
DF200 7000 (マイナビニュース画像より)
客車も77系客車といって、九州島内の七つの「県」に因んで、「7」にすべてこだわっています。
国鉄時代は、70番台の客車は「戦災復旧車」といって、被災した客車を別の用途に改造し復旧させた、「人を乗せない客車」に付けられた番号でした。
汐留駅に配置されていた「スエ71」救援車
駅の片隅に「救援車」として配置されていて、いわば「日陰の存在」の客車に与えられていた番号でしたが、今回新しい使い方をされたようです。
編成も機関車を除いて7両が新製されました。
77系客車 (マイナビニュース画像より)
「マイ77-7001」「マシフ77-7002」「マイネ77-7003~7006」「マイネフ77-7007」という順番になっています。
「イ」の記号は昭和25年(1950)に新製された「マイネ41」以来63年ぶりに与えられたそうです。
「イ」とは、イロハの「イ」のことで、1等車が「イ」、2等車が「ロ」、3等車が「ハ」という風に分類されていて、昭和35年(1960)まで使われていました。
今迄は「ロ」が、グリーン車の「サロ」とか「オロネ」などとして、また「ハ」は、「クハ」とか「スハネ」など2分類しかありませんでした。(新幹線やJR四国の一部車両を除く)
大宮の鉄道博物館に展示されている展望車の「マイテ39」で「イ」の記号を見る事ができます。
マイテ39 一等展望車
内装も豪華で定員は最大30名、客室は14室だそうです。
ななつ星編成の概要イラスト (JR九州 HPより)
1号車がラウンジカーの「マイ77-7001」
2号車がダイニングカーの「マシフ77-7002」
3号車から6号車がスイートルームの「マイネ77-7003~7006」
7号車がDXスイートルームが2室ある「マイネフ77-7007」
となっていて、いずれも今までの寝台車とは全く違ったコンセプトで作られた豪華寝台客車です。
運行内容を見ると、3泊4日と1泊2日のプランがあるようですが、夜間もゆっくり走っているそうなので、乗務員はどのように寝るのか気になります。
観光バスも3000万円もかけて専用車が用意されていて、ナンバーもこだわりの「・・・7」です。
ななつ星 専用観光バス (JR九州 HPより)
また、出発地の博多駅には、乗客専用の待合室「金星」というラウンジも用意されています。
何から何まで、「7」にこだわって豪華に贅沢にプログラムされていますね。
九州を出て、本州を走っている光景も見てみたいですが、JR東日本も3年後を目指して、クルーズトレインを計画しているようです。
スピード重視の列車旅から、内容重視のこの様な列車もこれからの「旅」として多く企画されて行くのでしょうね。
乗車するのは「夢のまた夢」ですが、せめて本物を見てみたいものです。
« 「秋の風景」 | トップページ | 「渡り初め」 (わたりぞめ) »
「鉄道」カテゴリの記事
- 「北陸新幹線開業」(2015.03.14)
- 「ブルートレインの終焉」(2015.03.13)
- 「市場の線路」(2014.10.16)
- 「鉄道の日」(2014.10.14)
- 「東海道新幹線 開業50年」(2014.09.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント