「古川可動橋」
以前、汐留駅から芝浦埠頭にかけて貨物線がありました。
ゆりかもめは、そのルートの上をなぞるように走っています。
竹芝桟橋から日の出桟橋の間に今も古川が流れています。
一般の方には「浜崎橋のそば」と言った方が分かりやすいでしょう。
ここには片側だけ開く跳開橋がありました。
(みなと館資料より)
芝浦跳開橋(しばうらちょうかいきょう)とも呼ばれ、昭和4年(1929)にできました。
鉄道専用の橋で列車が通る時にだけ閉めていたようです。
(土木図書館資料より)
勝鬨橋ができる10年以上前の完成で、当時は「東洋一の可動橋」と呼ばれ、山本卯太郎と言う人物が設計し、開閉時間が90秒という、驚異的なスピードで動いたそうです。
(土木建築工事画報 昭和5年1月号より)
この橋は「片葉式」という片側だけが上がる方式で、(勝鬨橋は双葉式)跳ね上げ部分が27メートルもあり、昭和初期としては大変優れた物だったようです。
小生が中学生の頃には、もう跳ね上げの設備は取り外されて、閉まったままの橋でした。
朱色のディーゼル機関車(DD13)が貨物列車を牽いて渡っているのを何度か見た記憶があります。
この橋も芝浦臨港線が廃止された為に役目を失い、暫くは放置されましたが、その後解体されました。
今では再整備されて、人専用の橋が架かり、竹芝側にはホテル、日の出側には遊覧船の乗り場が整備されています。
屋形船の乗降場が浜崎橋インターの高速道路の下にあり、漁船も出入りしています。
地元、勝鬨橋は、大きさもスケールも凄かったですが、このような目立たない貨物線にも、結構凄い当時の技術の一端を見ていたんだなと改めて思いました。
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