新橋の「ガード下」
上野駅からこの辺までは、一部を除き同じようにレンガ積みの高架が続いております。線路の継ぎ目の「ガタンゴトン」の音が騒々しいので、下には倉庫が多く入っておりました。
今では技術の進歩でロングレールが採用され、静かなガード下になりました。
補修はしてあるのでしょうが、この辺は昔から、レンガ積みのアーチ型の空洞部分に店舗が入っております。駅から近く、高架下は騒音が激しいので、家賃も安かったのでしょう。
いつ頃からの構造物なのでしょうか?
戦後の闇市のシーンを彷彿とさせますが、今でも使えるという事は、とても頑丈な構造という事になりますし、なお且つ、アーチ部分のレンガの積み方がとても美しいです。
表面は長い年月を経て、黒く汚れてしまっていますが、東京駅の丸の内側駅舎の様にお化粧直しをしてやれば、また新しい「ガード下」の魅力が出てくるのではないでしょうか。
東京国際フォーラム裏のガード下は綺麗にされ、新しい店舗が次々に出店しています。
こちらの空き地には以前、「ホームラン寿し」「折鶴」という屋号の寿司店があり、現役時代の王選手や長島選手ら、巨人の選手たちが訪れていたと聞いた事があります。
日陰町橋高架橋
道路と交差する場所は線路側が「橋」という扱いなので、「高架橋」という名称になるようです。「日陰町」はこのあたりの旧町名なのでしょう。
橋脚にも石積みの意匠(デザイン)がなにげなく施されております。
「ガード」とは、本来、「防御する」とか「守る」という意味ですが、この様な「高架橋」を指す言葉です。昔、「ガード下の靴みがき」という歌もありました。http://takurou.co-site.jp/natumero/31-35/kutumigaki.html
「靴磨き」という職業も、知らない世代が増えました。外堀通りのガード下のそばには20年くらい前までは路上に半畳くらいの場所で、道行くサラリーマンに声をかけて、靴を磨いている「オバチャン」がまだおりました。
まだまだ、昭和のノスタルジーが生きる町ですが、環状2号線や、シオサイトの開発で、「道路の向こうは異空間。」と言えるようなガード下です。
線路の上には最新式の電車や新幹線がひっきりなしに通過しています。
夜になると仕事帰りのお父さんたちのパラダイスに変身する街です。
新橋が人気なのは、交通の便は勿論ですが、安く飲める場所が多く、敷居の低い色々なタイプの店が集中しているという事なのでしょう。
高級感を望むなら、隣の銀座へ行けばいいのですから。
粋な風情はもう感じられませんが、どこか怪しい、だけど懐かしい「新橋周辺」のガード下、色々な人生模様も見てきた事でしょう。
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