「ターレー」 その2
ターレーが普及し始めた頃には、木箱がまだ多く、釘が市場のあちこちに落ちていましたから、チューブレスではなく、生ゴムだけでできたタイヤが直に、ホイールに付いています。
サスペンションに相当する物も無いので、少しの段差で跳ねて、乗り心地は悪いです。市場線があった頃、踏切で荷崩れを起こしている車もありました。
今はあまり無くなりましたが、PP(ポリプロピレン)の紐が梱包材の主流だった頃には、前輪や後輪に絡みついて、ブレーキが効かなくなる事もしばしばありました。
タイヤをばらしても取れないと、バーナーで焼き切って、取り除いておりました。
市場内は、青果商でも走る所は水産と重複するので塩害で錆が発生します。
水産商のターレーは下回りだけでなく、荷台も塩分で腐食しますので、所有については今はほとんどリースだそうです。
ガソリンエンジンからバッテリー式のモーターに変わり、チェーンも無くなっています。
運転台も進化しております。関東機械の「マイテーカー」で比べてみます。
ガソリン車の運転台。
本来の「ターレー」らしく、古くなると「バタバタ」と音がしていた。
バッテリー車の運転台。
モーターにより、音がしない。
最新型の運転台。
ボディーが細くなっているが、良く見ると、パーツ類は上のピンクの車両と同じように見える。
少ない需要ながら、市場によって、荷台の大きさの規制もあります。
築地の中でも、青果と水産では荷台の幅や、長さも違うそうです。
市場内では「ターレー」を扱っている業者が4社あるそうですが、修理もさることながら、バッテリーの充電などの新たなメインテナンスが大変になっているようです。
「ターレー」の荷台に長靴をはいた人たちが乗って、市場を走る光景を良く見ますが、本来は荷台に乗車する事は禁止です。
しかし、築地を訪れた人なら、是非一度は乗って見たい「ターレー」です。
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