「地口」と「地口行燈」
これは、銀座三丁目の宝珠稲荷神社の二の午祭(毎年二月)の時に飾られる「地口行燈」(じぐちあんどん)です。
宝珠稲荷神社。マガジンハウスのすぐ前です。
両側に「地口行燈」が点いてます。夜の明かりの方が映えます。
「地口」とは、江戸時代、享保期(1716~)頃から明治期頃まで主に江戸で流行した、いわゆる言葉遊びです。京阪方面では「口合」(くちあい)と言っていたそうです。
◎ 有名な和歌や言葉を洒落たりしたもの
お前百までわしゃ九十九まで → お前掃くまでわしゃ屑熊手
しづ心なく花の散るらむ → しづ心なく髪の散るらむ(百人一首)
いずこも同じ秋の夕暮れ → 水汲む親父秋の夕暮れ(百人一首)
舌切り雀 → 着たきり娘。
◎ 意味もなく掛け言葉になっているもの
畏れ入谷の鬼子母神。 (有名ですね) ちなみに読みは「きしもじん」です。
そうは烏賊の金玉。 その手は桑名の焼き蛤.。
などは聞いたことがあるでしょう。また、
驚き桃の木 山椒の木。 何か用かい 九日十日。
あたりき車力のこんこんちき。など。
築地を詠んだものもあります。→嘘を築地の御門跡(うそをつきじのごもんぜき)
「駄洒落」という言い方で認識されていると思いますが、みなさん「地口」知ってますよね。
「地口行燈」は絵と文字を使って言葉遊びを具現化したものです。
飛んで火に入る夏の虫 → 飛んで湯に入る夏の武士
笑う門には福来る → 笑う顔には河豚(ふぐ)来る
恵比寿 大黒 → 恵比寿大根喰う など絵と文字がうまく笑いを誘います。
こんな文化が、銀座で今も行われているっていいですね。
歌舞伎座でも二の午祭の「地口行燈}またやるのかなぁ。
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