「初荷旗」
「時鮭」や「生かき」、「初さんま」など、正月以外の時にも注文に応じて作っております。
築地の水産部の方は、荷受け会社が主に発注して、自社の名入れの「初荷旗」を仲卸経由で小売店に渡されて行きます。スーパー用も荷受け会社から渡されております。
青果部の場合、正月は産地から一緒に初荷飾りを付けて入荷して来るようです。
昭和30年前後、商売が自由に行えるようになってからは、初荷の日はそれは大変な賑わいでした。買出し人が待ってましたとばかりに、こぞって押しかけて新年の挨拶もそこそこに 「魚」を吟味し、手拭と初荷旗をもらって「車」に付けて賑やかに店に帰ります。
(中央区立京橋図書館資料より)
海幸橋の上でも、タコ風船を付けた「初荷旗」を売っておりました。
当時は「布旗」でしたので、「自動車」に付けてもよくはためきました。今では「紙旗」になってしまったので、丸めて店まで持って帰ります。
今でも 「初荷旗」を取り付けるのに、青い笹竹を使っていますが、これは、「魔除け」の意味があるそうで、大阪の今宮戎神社の「商売繁盛で笹もってこい」というフレーズが有名ですね。
青竹は、初霜が降りた後の物が「腰」があって良品とされるようです。
築地市場の初荷は今も1月5日からとなっておりますが、それは産地の荷主が三が日は正月休みとし、4日に初めての漁を行う為に、出荷の翌日の5日が「初荷」となる訳です。
ですから、5日より前に「初荷旗」を飾るのは「???」になるわけです。
4日は兜町の「大発会」、そして5日は築地の「初セリ」という様に正月には必ず築地の話題が報道されます。
(今年の初セリの様子)
流通が変化している中でも築地の「初市」は5日で、今年も大間の「本マグロ」にとてつもない「セリ値」が付いたのは御承知のとおりです。
時代が変わる中、築地の風物詩でもある「初荷」の賑やかさは消えてほしくない物です。
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