「燃えない木」
「木」の内装材が店舗の壁材や床材に多く使われるようになってきました。でも「どうして燃えないの?」って思った事ありませんか。
のれんやのぼり、カーテンやじゅうたんなどは「防炎」のシールが貼ってあるのを見かけた事があるでしょう。
上の「龍」は燃えない「木」で試作として彫ったものです。
なぜ燃えないかと言うと、杉やヒノキの生木から高圧で水分を抜き、代わりに不燃剤や水ガラスを圧入するそうです。生木を使うので、国産材の有効利用になると思いますが、厚みや大きさに規制があり (国土交通省の管轄です。) また、加工にも工夫が必要です。
ただ、全く燃えない訳ではなく、耐火時間によって「不燃」、「準不燃」と基準があり、大規模商業施設の場合、火災が起きてからの避難時間と関係があるようです。有害な煙も出ないそうです。不燃加工品にはシールを貼付します。
スゴイ技術ですね。
しかし、彫刻する場合、水ガラスが圧入してある方は、彫刻刀が刃こぼれしてしまう可能性があるので不燃剤の方を使いました。
では何を作ったかというと
東京スカイツリーのソラマチに入っている「魚」の量販店さんの千社額です。
実際には横長に取り付けてありますが、仕上がりの写真です。
いつもの千社額とは色が違います。(いつもは白木の仕上げ)
これは、黒と赤のカシュー(人口うるし)が防炎剤の影響で滲んでしまうので、色止めを施した為です。
普段、彫刻の場合は自然乾燥させた材料を使うのが当たり前ですが、今の基準の中で顧客のご希望の物を製作するには色々な業種とのつながりが大切です。
この仕事は、興味深かったですし、とても勉強になりました。
「燃えない木」を使ってみたい方は、是非ご相談ください。
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