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2013年4月19日 (金)

小田原町の「銭湯」

昭和40年前後、「小田原町」(現在の築地6,7丁目)には銭湯が4軒ありました。

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(建物だけが今も残る 元、入船湯。)

小田原町一丁目(現、築地七丁目)には、白髯湯(はくせんゆ)

小田原町二丁目(現、築地6-1~20)には、寿湯(ことぶきゆ)と入船湯(いりふねゆ)

小田原町三丁目(現、築地6-21~)には、長寿湯(ちょうじゅゆ)

寿湯は現在も営業中です。

 まだ自宅にお風呂がある家が少ない時代でしたから、銭湯はいつも賑わっておりました。

老若男女、近所の人たちや友達は勿論、築地という土地柄、船員さんもおりました。まだ直接水揚げがあったので、陽に焼けたいかつい人もいました。

個々のロッカーなど無い頃、籐(藤の蔓)で編まれた脱衣籠に脱いだものを入れ、湯船に突進。軽く体を洗ってから湯船に入らないと、知らない人からも注意されました。当然のことですが、小さな社会勉強の場でもありました。

  改めて、この光景を文章で書くことは難しいのですが、広く天井の高い造りでした。これは、天井が低いと湯気が冷たい水滴となって落ちてこない工夫でした。天井脇には窓があり、適度に湿気が抜けるような仕組みでした。

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元、入船湯外観。


湯船の上の正面にはお決まりの富士山の絵が書いてありその下には、はめ込み式の近所の店の広告が出ていました。色々な商売があるのと、漢字の勉強にもなりました。

浅い湯船と深い湯船があり、深い方は熱かったです。熱いお湯好きなおじいさんがいると、水をうめさせてもらえないので、我慢しながら入っておりました。

洗い場はカランという押している間だけ出る蛇口があり、もう水とお湯が別々に出るようになっていました。シャワー式になったのはまだ後の事です。

ケロリンの桶はもうありました。黄色だけでなく白のバージョンもありました。

脱衣所も天井が高く吊り下げ式の扇風機が回っておりました。

映画のロードショーのポスターが所狭しと貼ってあり、子供心をくすぐられました。

秤に乗ってジャンプして100kgに行くかなどの馬鹿な遊びをしては、知らないおじさんに注意されていましたね。友達ともよくいっておりましたので、湯上りは銭湯のそばにある駄菓子屋に行ってミリンダ(ファンタオレンジのようなもの)を友達と分けて飲んでました。

風呂上りに腰に手を当てて牛乳を飲むという事はしませんでした。確かにやっている人はいました。

現在、中央区には10軒の銭湯があるそうですが、銀座の金春湯(こんぱるゆ)などは地元の人以外にも知られた古い歴史のある銭湯です。主人は中学の同級生です。

なかなか行く機会がなくなりましたが、たまには大きい湯船の下町の銭湯もいいものですね。

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コメント

突然のコメント失礼いたします。


築地で不動産業に携わっているものです。
築地で働き始めて、まだ4ヶ月ほど。。たまたま見つけたこちらの建物に興味を持ち
調べていてこちらのブログにたどり着きました(^^)

元銭湯だったそうですが、「入船湯」という名前も初めて知りました。

入船に、今現在営業しています同じ名前の銭湯があるのですが、こちらとは全くかんけいないのでしょうかね。

築地はとても不思議で、とても素敵な街です(^^)

尾形様、拙ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
築地の「入船湯」はもう営業を終えてから40年くらい経っていると思います。
小生も、家に風呂が無かった頃はよく利用していました。
入船町の「入船湯」の事は分かりませんが、多分「地名」に由来しているのだと思われます。
「入船」という言葉は港に入ってくる「船」として、多くの海の幸や交易での「地方の産物」を持ってくるという意味で「おめでたい言葉」として「入利船」とも書かれていました。
ですから、「繁盛するように」という願いを込めて、店主さんが名づけられたのだと思います。

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