「波除稲荷神社」 (なみよけいなりじんじゃ)
「築地」を訪れた事のある方はご存じでしょう。 四年前の2009年に御鎮座350年の式年大祭を行いました。
小生も氏子ですが、いつもはお参りに来たり、祭礼で出入りしてはおりますが、ゆっくり写真など撮った事がありませんでした。
珍しい「しだれ銀杏」の青葉が瑞々しく綺麗でした。
(手前の緑の柱は昔あった海幸橋のたもとの電柱)
波除さんは市場の入り口(海幸門)にあり、晴海通りに都電の停留所があった頃には、人の出入りはこちら側が多かったので、氏子は勿論、買出し人も手を合わせておりました。最近まで水神様は祭事以外、扉を閉じておりましたので市場の入り口にある立地から「商売繁盛」をお願いしていたのでしょう。
今では外国人観光客も多く訪れますが、信仰する神様が違うということで、拝みはしないそうです。国内の観光客でも賑わっております。
境内に入ると正面にお化粧直しをした社殿が目に入ります。
千木(ちぎ)が縦に切れているのは「男神」だそうです。
(V字に見えるのが千木。ちなみに水平に切れているのは「女神」だそうです。)
手前の両側には巨大な雌雄の獅子が鎮座しております。
向かって右側に雄獅子(天井大獅子)
向かって左側には雌獅子(お歯黒獅子)
双方とも担ぐ事ができますが、雄獅子は神輿より重いです。(特に後ろ)
この獅子は石川県白山市の知田工房の作品です。神社の御神饌田もここにあり、お神酒もその田んぼから造っております。
「お田植え祭」や「抜穂祭」(ぬいぼさい)も毎年現地へ出向いて執り行われております。二度ほど「抜穂祭」へお供しました。
小生の家では毎月一日に祖父の代より「おついたち詣り」をしております。曜日には関係なく、毎月一日の朝に、うちに祀ってある神棚から桐の箱に入った玉串を、ご祈祷を頂いて新しいものと交換してきます。
子供たちが小さい頃には「秘密の棒」と言って、昇殿してお祓いを受けた時にだけ桐箱を開けるので、中身が見たくてよくついてきました。
一年の中でも3月1日は桃の花、5月1日は粽(ちまき)がいただけます。
氏子の人でも「おついたち詣り」をする習慣や、この行事の存在を知っている人も少なくなって来ている様です。
もっともこちらが商売を継いでいる訳なので、この一日の行事はやめるわけには行きません。
他の神社にもあるのでしょうが、魚河岸という場所柄、こういうことがまだ連綿と続いている事が何だか嬉しい気がします。
境内には魚河岸関係者から寄贈された「石碑」も沢山ありますが、またの機会にご紹介致します。
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