「魚市場の引き込み線」
(国土交通省航空写真より)
当時の汐留駅(国鉄)を経由して鮮魚や青果物を輸送する為に、築地の市場迄、線路が入っていた。
ちゃんとした駅名もあり、[東京市場駅]という駅名だった。(貨物専用なので普通、人は乗れないけど。)
築地の市場が扇形をしているのは、線路の有効長を最大限に発揮する為の形なのである。
市場が開設された、昭和10年頃から、SLに引っ張られた貨車が、たくさん出入りしていたという。
自分が子供の頃には、もうディーゼル機関車になっていた。小学校から帰ると、たまに友達と遊びに行ったものだ。午後の引き込み線は、一番暇な時間で、駅員などは、一人もいない。当然、ワルガキたちは、いたずらをする。(今では絶対に出来ないし、してはいけない事だが。)線路のポイントの方向を換えてしまったり、連結器を外してしまったり、小さいトロッコみたいな車輪を大勢のガキたちで線路に乗せてしまったり、結構今考えると、恐ろしい事をやっていたものだ。しかし、置き石はしなかった。なぜなら、入れ換えの時間を知らないので、石を置いても、つぶれる所を見られないし、当然駅員にこっぴどく叱られる(そんなもんでは済まされない)からだったのかも知れない。
引き込み線には、普通の黒い貨車は少なく、白い貨車が午後の駅には沢山止まっていた。魚を運ぶ冷蔵車だ。青い線の入ったのや(レム5000形)、錆がいっぱいで白く見えないのや(レム400形やレ12000形)長くて連結器が普通と違っていてかっこいいの(レサ10000形やレサ5000形)も時々見かけた。コンテナ車(コキ10000形)は一度だけしか見れなかった。多分、ホームのカーブがきつくて、壁にぶつかってしまうからだったのだろう。
夜になると、枕元に、遠くのディーゼル機関車の汽笛が聞こえて来た。(脱線してなければいいのだけど、、、)なんて思っていた。今では冷や汗ものの、小学校時代の思い出である。
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投稿: 中央区立京橋図書館 | 2016年12月21日 (水) 13時24分